赤ちゃんや子どもに関する悲しい事件は毎日のように起きていて、子どもを持つ親としてニュースを聞くたびに悲しくなります。
今日は、表題の事件についてわたしが思うことを書いていきたいと思います。
事件の概要
- 先月、北海道石狩市の住宅の敷地内に置かれていたバッグの中から赤ちゃんの遺体が見つかった
- 市内に住む17歳の少女を遺体を遺棄した疑いで逮捕
- 少女と赤ちゃんは親子の関係
- 少女は母子手帳の交付を受けていなかった
(北海道 石狩 赤ちゃんの遺体遺棄した疑い 17歳少女を逮捕 | NHK | 事件 より)
生まればかりで、衣服も身につけず、へその緒と胎盤もついたままの赤ちゃん。なんの罪もない赤ちゃんを、こんなふうに扱うことは絶対にあってはならないこと。これは間違いありません。少女がやってしまったことは許されることではないし、然るべき罰を受ける必要はあると思います。ただ、わたしの中にそれだけではない感情があることも事実です。
看護師になりたての頃、中絶の手術に立ち会うのは嫌だった
総合病院で働いていた頃、たまに人工妊娠中絶の手術(アウスといいます)の担当になることがありました。患者さんの年齢層は本当に様々で、10代の子からわたしよりもっと年上の方まで幅広かったです。
人生経験も乏しく、まだ若かったわたしは、アウスに立ち会うのが本当に嫌でした。
世の中には子どもが欲しくて不妊治療をしている人もいるのに、なぜ望まない妊娠をする人はこんなにいるのだろう。妊娠した以上は、どうにか産んで育てることは考えないのだろうか。そんな考えがいつも頭をよぎっていました。
もちろん仕事として関わる以上、自分の感情を患者さんにぶつけることはありませんでしたが、そういう疑問は消えることはありませんでした。
今考えると本当に若いし、幼い考えですね。
責任を持って育てられない以上、中絶することは必ずしも悪いことではない。患者さん一人一人妊娠した背景は違って、「中絶した」という側面だけで、だらしない、愛情がないと判断することはできない、といまは思います。
女の子の親になって感じる、性教育の大切さ
「望まない妊娠」の背景には、妊娠や性に関する知識不足があることも事実だと思います。
今の教育現場での方法はわかりませんが、わたしが学生の頃の性教育で感じたことは、「セックスは恥ずかしいことで、それに興味があることはよくない」ということ。
親子間でも友人同士でも性に関することを表立って話題にするのはタブーな空気があり、性についての相談は誰にすれば良いのかわかりませんでした。
今、自分が親になって、幼少期からの性教育が非常に大切であることを痛感しています。
娘たちが自分を大切にできるように、自分の体の仕組みについて理解できるように、悲しい事件に遭わないために、まずは自分がしっかり知識をつけて教えていきたいと思うのです。
性教育について、参考にしている書籍は次の2冊です。
こちらは、日々の何気ない会話の中で性教育につなげられるよう、いろんな場面での対応がわかりやすく書かれていると思います。
「なんで生理があるの?」「赤ちゃんはどこから生まれるの?」と、娘たちから聞かれる前に読んでいてよかった!と感じた本です。
こちらは現役の助産師さんのエッセイが主に描かれています。望まない妊娠をしてしまう学生の章では、否認方法について詳しく書いてあり、娘たちがもう少し大きくなったらしっかり読んでほしいなと思う漫画です。
女の子の親でも、男の子の親でも、性教育は大切なこと。
だけど、妊娠や中絶、出産はどうしても女の子の方が体の変化や痛みを伴うことが多くなります。
変な話、女の子はもし妊娠してしまったら、逃げることはできない。
だからこそ、自分の体の仕組みについてや、妊娠や中絶、避妊方法についてよりしっかり伝えていかなければ、と感じます。
「セックスなんて、子どものすることじゃない!絶対にダメ!」と押さえつけてしまうのは簡単かもしれないけど、そうすると困ったことが起きても「親には言えない。言ったら怒られる」と思ってしまう。
なぜ、子どもはするべきじゃないのか?セックスは最上級の愛情表現ではないのか?こういうことをオープンに話せる関係でいられるよう、今から娘たちとの関係づくりは大切になるとヒシヒシ感じます。
17歳の少女が、誰にも助けを求められなかったのはなぜか
熱くなって、少し話がズレてしまいました。。。
17歳の少女は、妊娠中誰かに助けを求めることができなかったのか。
母子手帳の交付を受けていなかったということなので、妊娠に気がつきながらも誰にも相談できなかったのでしょう。
妊娠すると、体には様々な変化が現れます。初期にはつわりもあるだろうし、どんどん大きくなるお腹、胎動を感じてくると赤ちゃんの存在を強く感じます。
1人でそれらの変化を受け止めるって、どれだけ心細かったか。
もちろん、少女が妊娠した経緯はわかりません。赤ちゃんの父親が、どういう人なのかも知りません。
でも子どもを持つ親として、出産経験のある母として、1人で妊娠期間を乗り越え、1人で出産することがどれだけ心細くて不安で耐え難いことかは想像がつきます。
孤立して、誰にも助けを求められない。誰に助けを求めたら良いかわからない、という状況を避けるためにも、娘たちとは何でも相談してもらえる関係でありたいと思うし、悩める妊婦さんの駆け込み寺的な場所が、もっと身近に感じられたらいいのにと思います。
電話やメール、今はLINEでも相談できる場所があること、もっと若い子たちに伝えていきたい、と強く思います。
そして、何度もこのブログではお話していますが、助けを求めたらだれか必ず助けてくれる人がいます。「どうせ誰に話しても…」と思わず、困ったことがあったら誰かに自分からSOSを出してほしいです。
もし娘たちが「望まない妊娠」をしてしまったら、親としてどうする?
長女は小学生になりました。わたし自身は、小学四年生の時に生理が始まったので、早ければ後数年で長女も初潮を迎えることになります。
今でも日常生活の中で、「どうして生理があるの?」「赤ちゃんはどこから生まれるの?」「どうしてママにはおちんちんがないの?」などなど子どもたちが興味を示してくれたタイミングで、いろんな話をしています。
長女には、あともう少し大きくなったら生理が始まるかもしれないね、体が大人に近づいているってことだから、怖いことではないよ、と伝えています。生理が来たタイミングで、わたしから避妊方法についての話を始めたいなと思っています。
そんな中、もし娘たちが望まない妊娠をしてしまったら、親としてどう接するかについて考えてみました。
まずはいろいろ言いたいことがあるのを絶対に飲み込んで、「相談してくれてありがとう。体調は大丈夫?」と声をかけてあげたいです。
わたし自身、つわりが結構つらくて妊娠初期は参っていました。。
不安で体調もよくない中、相談してくれたことにまずは「ありがとう」と伝えたい。
「妊娠してしまった」事実はもう覆すことはできないので、そのことへの怒りをぶつけるのは得策ではないと思います。
もちろん冷静でいるのは本当に難しいとは思うけど、「1番困っているのは娘」ということは忘れずに接したいです。
一緒に病院へ行って、子宮内の妊娠を確認して、今後のことを考える。
そのときにもし「産んで育てたい」と言われたら、子育てはそんなに甘くないという経験をちゃんと冷静に話して、どうするのかは娘とお相手に考えさせたい、と思います。
産まない選択も、産む選択も尊重したいけど、「産んでしまったらもう育てることを放棄することはできない」ということはしっっっかりと説明していきたいです。気持ちだけでは、子どもは育てられないということも。
これは、わたしたち夫婦間でもすり合わせが必要な内容なので、日々の雑談の中でお互いの考えを話すようにしています。とにかく、親としては一貫した対応を大事にしたいと考えます。
最後に…
なかなか取り止めのない内容を、書き連ねる形になってしまいました。
思うことは、1人でも望まない妊娠をしてしまう人が減って、子どもが不利益を被る事件が減りますように。
今、望まない妊娠や育児について悩みを抱える人が、1人でも多く助けを求められますように。
自分の周りにもそういう人がいたら、手を差し伸べられる人でありたい、ということです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました(*’▽’)
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